イキガミ [本・コミック]

イキガミ 5―魂揺さぶる究極極限ドラマ (5) (ヤングサンデーコミックス)
- 作者: 間瀬 元朗
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2008/05/02
- メディア: コミック
先日行った映画館で予告編が流れていたので、帰りに原作を買って見ました。それまで存在すら知らなかった漫画なので、内容もはっきりとは分らずの購入です。
国民に命の尊さを実感させる目的で、18~24歳の若者を1/1000の確率で見せしめに殺す法律「国家繁栄維持法」。小学生の時に強制的に受けさせられるワクチンには1/1000本の割合で極小のナノカプセル爆弾が仕込まれており、一定の年齢の間にそれが心臓で爆発し死に至ります。その爆弾を仕込まれた人間の死亡時刻は国が管理しており、設定された死(爆弾破裂)の24時間前になると、「イキガミ(逝き紙)」という死亡時刻を記載された紙が本人に手渡されます。
読者は最初に死亡してしまう人物がわかるので、物語はその人物が残り24時間をどう過ごすかを見届けるわけです。様々な人間模様が繰り広げられる中、国家繁栄維持法に疑問を抱く主人公のイキガミ(不幸)配達人側の話を織り交ぜながら、主人公と、またイキガミを受け取ってしまった人たちのそれぞれの苦悩と葛藤が描かれます。
「国繁」に異を唱える者は「退廃思想者」として逮捕され、過酷な再教育課程が待っているし、更正不可の場合はカプセル爆弾注入。日常には一般人に溶け込んだ「国繁警察」と呼ばれる秘密警察がおり、常時国民を監視している歪んだ世界。
読んでて恐ろしさを感じる世界観と、死を迎える若者たちの必死の物語が、心を惹きつけます。
「あなたは24時間後に死亡します」
そう宣告されたら私ならどうするだろう?果たして冷静で居られるのだろうか?読みながら「もし自分がイキガミをもらったら?」としばらく考えてしまいました。命の尊さを国民に理解させるための生贄・・・。私ならそんな国へ一矢報いる方法を考えたいですが、死を目前にした個人の暴走を食い止める法律もあり、残された家族を思うと思いとどまらざるを得ませんね。しかもあえて残り24時間になってから告知するなんて・・・ちくしょう!って感じです(怒)。FKが唯一、画を武器に異議を唱えましたが、あれは印象的でした。でもまさに「国家繁栄維持法(国繁)」はあの画の通りなんですね。
「国に殺される」・・・こういう不条理な世界になってしまった日本は今後どうなって行くのか?作者は主人公の配達人に何をさせるのか?ただ黙って彼にこの世界を受け入れ続けさせるわけでもないでしょうし、このとんでもない世界がどうなるのか?今後の展開、そして物語の先にあるものが気になります。
公開される映画では一体どんな風にアレンジされているのか気になるところです。単に「国繁制度に囚われた一国民の悲劇」だけを描き、「結局制度は続いていくし、何も変わらない」で終わるならば、魅力半減の可能性は大。主人公は最後に何をやってくれるのだろうか?多分映画館に足を運ぶ人たちはその辺を期待していると思う。原作はまだ連載中なわけで、結末をどうするかは難しいところ・・。言葉はきついが、単なる「お涙頂戴」で終わらないことを祈りたい。
おすすめ:★★★★
2008-09-24 16:31
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コメント(2)
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夜中にコンバンハ、です。
原作未読です。
どんな内容なのか気になってましたが、ササリーヌ伍長 さんの記事を読んで大筋が分かりました。
命を大事にするために命を犠牲にすることも已む無し。ですかね。
本末転倒気味な、なんともはやな設定なのですね。(ーー;)
問題提起は、人命よりも国家の暴走に対してでしょうか?
問題提起に似せた官僚批判でしょうか。
結末が気になります!
記事を読んでいて、『バトル・ロワイヤル』 を思い出しました。(汗)
by 元気 (2008-09-27 02:10)
>元気さん
コメントありがとうございます。
バトルロワイヤルもすごい設定でしたよね。あれこそあの制度の意味が非常に疑問でした。
イキガミでは現在の所、国繁制度に国民が反抗する手段がなく、国民は「受け入れて従っていれば安全」という風潮があって、しかも死ぬのが1/1000だから「まさか自分には来ないだろう」と考えているようです。
この制度によって自殺者の減少やGDPの上昇が見込めると発表している政府ですが、実際のところは制度導入による効果にあまり変化はなく、情報は操作されているようです。
映画ではどう料理されているのか非常に気になっているので、観に行きたいとは思っています。
原作でも死に行く若者たちのエピソードはやはり読み応えがあります。国繁制度の説明も随所に織り込まれているので、機会があれば是非お読みになってみてください。
今、原作では主人公が想いを寄せている女性が国繁警察の潜入らしく、主人公は過去の国繁批判とも取れる発言から彼女に疑われており、5巻の終わりでは彼女から探りを入れられています。主人公大ピンチのようで続きが気になっています(^_^;)。
by ササリーヌ伍長 (2008-09-30 20:10)